会社を辞めてフリーランスWebデザイナーになる前に準備・確認した13のこと
フリーランスになる時にどんな準備をしましたか?
私は10年間制作会社でWebデザイナーとして働いた後、フリーランスになりました。
会社の給料や職場環境には不満はなく、そんな環境を自ら手放してフリーランスの世界に飛び込む際にはすごく勇気が必要でした…!
フリーランスになろうと決めてからは、事前にちゃんとフリーランスになってもやっていけるか、どんなことが必要か、入念に調べて準備しました。
この記事では、私が会社員を辞めてフリーランスになる際に行った準備・手続き・調べたことについてご紹介いたします。
- 歴14年のWebデザイナー
- 10年間Web制作会社に勤務 → 独立
- フリーランス5年目
- デザイナーの採用担当してました!
- 娘6歳・息子1歳のワーママ
- 地域情報ブログ「福知Navi」運営
【13項目まとめ】フリーランスになる前の準備・確認事項
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それでは1つずつご紹介していきますね。
1. 屋号を決める
実は「コトノハデザイン」という屋号はフリーランスになる7~8年前に決めていました。
その時はまだ全然会社を辞める気はなかったんですが「いつかフリーランスになるかも。なれたらいいなぁ」と漠然と考えていた延長で、屋号を空想したりして。
私はWebデザイナーの仕事であるホームページやチラシなどのデザイン制作は自己表現のアートではなく、お客様が伝えたい「言葉をデザインする」ことだと常々思っていて、その想いを屋号に込めました。
短い中に日本の言葉で自分の想いが表現されていて、時間をかけて考えた甲斐あって今でも気に入っています♡
また、お客様にも覚えてもらいやすく、検索もされやすいです!←ここも重要なポイント。
フリーランスになるからと言って必ず屋号が必要なわけではないんですが(本名やペンネームなどでもOK)、私は屋号を持った方が社会的信用力が向上するかなと考えたのと、自分のブランドを持ったみたいで単純に仕事のモチベーションが上がると思ったので、屋号を付けました。
屋号は後から追加することもできるのですが、先に決めておくと開業届に書いてすぐに登録できたり、予め屋号付きの銀行口座やメールアドレスを作ることもできます。
具体的にいつとは決めていなくても「いつかフリーランスになりたい」という想いがあるのなら、先に屋号を考えてみるのもおすすめです♩
2. 税金について勉強
フリーランスになる際に一番不安だったと言っても過言ではない、税金のこと。
会社員の時は会社が全部計算して給料から引いてくれますが、フリーランスになると全部自分でしなければいけません。
それを私にできるのか、一体いくら払う必要があるのか、税金の種類とか計算方法とか全然わからないし、めっちゃ計算苦手やけど確定申告って私にもできるのか…?など、不安なことだらけでした。
そんな私にぴったりな本があってすぐに読みました▼
漫画でギャグ要素もあって、楽しくわかりやすく読み進めることができます。
税金関係を学びたい多くのフリーランスは読んでるはず!
今やフリーランスの入門書のような存在です。
税金・社会保険・経費・節税・確定申告というフリーランスには絶対必要な知識がこの1冊で全て学ぶことができて、しかも知っておいて損はない裏技なども多数紹介されている実用的な本です。
この本を読んだら何もわからず不安だったことがクリアになって「何かフリーランスでやっていけそうな気がする…!」と思ったことを覚えています。
情報が豊富で、今でもたまに読み返したりします。
フリーランスを目指す人は是非読んでみてくださいね!
3. 子供の保育園を継続できるか確認
私がフリーランスになろうか考えはじめた頃、娘は1歳で保育園に通っていました。
フリーランスになったら保育園は継続できないのでは…?と思い、市役所に確認に行きました!
- 就労と事業内容を証明できるものがあれば継続可能
- 事業開始に準備期間が必要であれば、保育が必要な理由を一旦「求職活動のため」に変更する必要あり
- 2年目以降の保育園継続のために毎年提出する必要がある就労証明書は自分で書いてOK+確定申告控えも提出
①は規定の就労証明書に記入するのと、私がWebデザイナーだということを伝えると、自分のホームページなどを提出できればOKとのこと。
私は会社を退職後、保育が必要な理由を1ヶ月間「求職活動のため」に変更し、その間に自分のホームページを制作。
「求職活動のため」が理由になると、保育園に預けられる時間が短くなり、また期間も3ヶ月間という制限があります。
※地域によって異なります。
ホームページができたら市役所に提出+理由を「勤労のため」に変更するという手続きを取り、無事に保育園を継続できることになりました。
※ホームページはこのためだけにサクッと作った簡易サイトなので、今は非公開にしています。
2年目以降も保育園を継続するには、毎年11月頃に就労証明書を提出する必要があります。
会社員の場合は会社が発行してくれるのですが、フリーランスなら自分で書いてOKで、追加で確定申告の控えも提出してくださいとのことでした。
ただ1年目は最初の確定申告をする前で控えはないと思うので、開業届の控えでOKでした!
住んでいる地域によって異なるので参考までに。
詳しくはお住まいの市役所にご確認ください!
4. フリーランスは会社員の2倍稼がないといけない説が本当か調べる
何か聞いたことあるこの説…。
3倍という説もありますね。
私は会社員時代の給料に満足していたので、フリーランスになっても同じくらいの収入があればいいなと思っていたんですが…
フリーランスになって会社員の頃と同じ手取りを目指すには、2~3倍も稼がないといけないの!?とビビっておりました。
この説の大きな理由は、会社員には会社が負担してくれているものがあり、フリーランスにはない役得があるからです。(めっちゃ調べました)
- 有給休暇
- 残業・休日出勤の手当
- 福利厚生費
- 退職金
- 社会保険料の半額
- 経費
でも私が勤めていた会社は残業手当は出ないし、退職金もないし、福利厚生も充実していなかったし…w(その分高めの月収だったと思います)
制度の整った大手企業に勤めていたら、2~3倍の収入は必要になるかもですが、私の場合は当てはまらないなと判断しました。
フリーランス4年目になって思うことは、そもそも①~⑤はそのまま会社にいたら恩恵を受けていただろうお金なだけあって、フリーランスになったら別に払う必要もないものです。
なので考えなくてOKだと私は考えます。
考えるべきは、フリーランスになってから自分で支払う必要が出てくる税金・社会保険料・経費の3つ!
会社員の場合、会社負担があったり給料から天引きされていて、手取り分は自由に使える感じですが、フリーランスはそれらを全部自分で払う必要があるので一旦入ってきた収入が全て手取りになるわけではありません。
会社員の手取り年収=
フリーランスの年収+税金・社会保険料・経費の総額
上記の式を成立させるには、大体会社員の手取り月収の1.3~1.5倍くらい必要かなと感じます。
裏付けとして、こちらの記事がわかりやすいです▼
【早見表付き】個人事業主の手取りはいくら?計算方法と年収別税金をシミュレーション
この記事を参照すると、手取り年収185万円の場合で1.35倍、手取り年収650万円の場合で1.54倍の金額が、税金・社会保険料を含んだ総額の年収になります。
つまり会社員時代に手取り月収15万(年180万)もらっていた場合、フリーランスで同じ月収を得ようと思うと約1.35倍が必要になります。
経費については人それぞれですが、フリーランスWebデザイナーならそんなにかかりません。私の場合、使用するソフトなどの固定経費は年間で10万円くらいです。
▼ 経費の詳細はこちら
経費は実費になりますが、会社員とは違い、自分の裁量で経費が使えることがフリーランスのメリット。
家で働く場合、電気代やインターネット代の一部を経費にできたりします。
仕事に関わるものを経費計上することで、節税につながります。
経費計上で会社員よりも柔軟に節税対策が行えて、手取り金額を増やすことも可能です。
だから残業手当とか退職金とかを考えず、会社員の手取りと同じくらい稼ぎたいと思ったら最高1.5倍くらいになればOK!
会社員の1.5倍稼ぐ必要が出てきて確かに大変な面はありますが、私は時間や場所に縛られず家族との時間を大切にできるフリーランスのメリットの方が大きく感じるので、フリーランスになってよかったと心から思います♡
あともう1つフリーランスの大きな魅力として、会社員は給料の大体の上限があると思いますが、フリーランスは頑張り次第でどこまでも稼ぐことができます!
1.5倍どころかもっと上を目指すこともできますよ♩
5. 夫の扶養に入れるか確認
社会保険料(国民健康保険と国民年金)を自分で払うとなるととにかく高い!
年収が130万円以下になりそうで、家族の扶養に入れる方は扶養に入るという選択肢があります。
扶養に入ると社会保険料の負担が0になります。
魅力的すぎる…!
調べたところ、フリーランスでも扶養に入れるかどうか、また扶養の条件も健康組合によって異なるそうなので、夫が所属する健康保険組合に電話をして確認しました。
その結果「年間の収入(経費などを引く前)が130万円(月収108,333円)以下であれば扶養に入れます」という回答をいただきました。
フリーランス1年目は収入の調整をして夫の扶養に入ろうかと思ったのですが、フリーランスになった直後から勤めていた制作会社より外注での仕事依頼のお話があったり、運営しているブログから仕事依頼があったり、すぐにある程度の収入は見込めそうだったので私は扶養に入らないという選択をしました。
夫の会社の担当の方からも扶養に入って抜けて…というのは簡単にできることじゃないから、扶養に入らず収入の調整をせず働いたほうがいいのでは?というアドバイスをいただきました。
今となっては、扶養に入っていたら「今月超えちゃう…!」と気にしながら働かないといけなかったと思うので、扶養に入らない選択をしてよかったなと思います。
収入が多ければ素直に喜べます♩
ただ、高い社会保険料の負担が発生します…!次に紹介。
6. 社会保険料の確認と手続き
健康保険と年金を合わせた社会保険料の合計の目安としては、年収300万だった場合年間で40~45万円程必要になります。(あくまでも目安です)
私も確認しました!
次の項目内で説明しています。
健康保険
収入によって変動するのですが年収別税金が紹介されているサイトを参照すると、年収300万円の場合236,400円の健康保険料がかかると紹介されています。
上記は国民健康保険の場合なんですが、健康保険には他にも種類があり、扶養に入らない場合、下記3種類から選ぶことができます。
- 国民健康保険への加入
- 会社の健康保険を任意継続(加入期間は2年間のみ)
※会社の半額負担がなくなるので、2倍の保険料支払いになる - 国民健康保険組合に加入
※Webデザイナーの場合「文芸美術国民健康保険組合」
基本的には①になるのですが、国民健康保険料が高すぎるため、場合によっては②③を選択したほうが安くなる可能性があるようです。
(こちらも詳しくはこの本で説明されています)
倍の保険料になっても、②の方が安くなるかもしれないようです…!
国民健康保険どんだけ高いんだ。
①に関しては計算が複雑でわかりづらいので、私は市役所に問い合わせて大体の保険料を確認しました。
どんだけ高いんだろう…とドキドキしましたが意外にも②よりも高くなかったので、私は①国民健康保険を選びました。
でも…高いのは高いですよ!w
③も調べたのですが、加入手続きに手間がかかりそうだったのと、保険料とは別に年会費が発生するなどがあったので、見送りました。
ただ③は①と違って収入によって保険料が変動するのではなく、一律です。
収入が高く安定している場合は③を選んだ方がお得かもしれません。
国民健康保険の手続きは会社を辞めた後、市役所で行いました。
クレジットカード払いができる地域もあるようですが、私が住んでいる市ではできなかったので、口座振替で納付しています。
国民年金
国民年金の保険料は年間で20万円程必要になってきます。
年金の保険料は一律なのでわかりやすいです。
年度によって変更があるのですが、大体月額17,000円程。
→ 今年度の国民年金保険料
あと私は付加保険料として+400円を支払っています。
先程紹介した税金を勉強した本で「付加保険料は2年間年金を受給すると元が取れて、支払った分控除になり節税ができる」と紹介されていたので、価値があると判断しました。
年金も退職後、市役所にて手続き。
国民年金はクレジットカード払いができます!
7. 事業用の口座・カードを作成
事業用とプライベート用の口座・クレジットカードは分けておいたほうが収支の管理がしやすいということで、事業用の口座・カードを作成しました。
更にお客様振込用と経費支払い用で分けています。
- 地元の信用金庫(新規作成)
- 三井住友銀行(以前から保有していたものを事業用に変更)
- 楽天銀行(以前から保有していたものを事業用に変更)
- 楽天カード(同上)
私は地元のお客様とのやりとりが多いので、地元の方の多くが保有している信用金庫の口座を作りました。その方がお客様の振込手数料の負担がなくなるので。
あとは地元以外のお客様用に全国展開している銀行口座も用意。
経費支払い用は楽天で揃えました。
余談ですが、プライベートで使っていた楽天カードを事業用にしたので、新たにプライベート用で会社員の内にPayPayカードを新規作成しました!
フリーランスになるとクレジットカードの新規作成が難しくなるので、会社を辞める前に作っておくのがおすすめです!
8. 必要な業務ツールを揃える
フリーランスとして働く上で必要になるツールを揃えました。
主に準備したものは下記の通り。
- パソコン
- Adobe CCコンプリートプラン
- オンラインストレージ
- 会計ソフト
- 印鑑
- 領収書
上記を含む、現在私が使用している制作ツール・業務ツールは下記の記事にまとめましたので、興味のある方はご覧ください。
9. ドメイン取得・メールアドレス設定
自分の屋号のドメイン(cotonoha-design.com)をエックスサーバードメインで取得しました。
目的は下記の3つ。
- 信頼性の向上
- 自分のホームページ(ポートフォリオサイト)を作成
- サブディレクトリでブログを運営(当ブログです)
- 独自ドメインのメールアドレスを取得
メールアドレスはGmailなどフリーメールでも作ることができるのですが、私は信頼性を重視して屋号の入った独自ドメインのメールアドレスを作成しました。
気にしない方もいると思いますが、私はけっこう見てます!
先日、すごく好条件での仕事依頼メールが届いたのですが、好条件過ぎて「詐欺なのでは…?」と疑いました。
その際、メールアドレスを確認するとしっかりとした企業の独自ドメインのアドレスだったので信頼できるかも?と思い詳細を聞いてみることに。
→ 実績あるきちんとした会社で、誠実に対応していただけました。
営業メールを送ったりするなら、絶対に独自ドメインメールの方がいいですよ!
10. 会計ソフト初期設定
先に私は会計ソフト「freee」を契約したと紹介しましたが、その初期設定を行いました。
口座やクレジットカードの登録と同期・開始残高の設定・家事按分登録など、最初に設定しておくべき項目が多数あるのですが、わからないことも多くけっこう時間がかかりました…!
設定できたと思って使い始めても、残高が合わない…!となってやり直したり。
(その時は開始残高が間違っていました)
でも大体検索すれば答えは見つかるので、自分で調べながら進めていくことで勉強にもなりました!チャットで質問もできます。
会計知識のある方や計算が得意な方はもっとスムーズにできると思いますが、私のように計算が苦手な方は実際の仕事がスタートする前に時間をかけて設定しておくのがおすすめです。
実際にお金が動き出した後に設定して収支が合わなくなったりすると、やり直しが余計面倒くさくなるかも。
11. 独立前から発信をして、仕事ができる状態を作っておく
私はフリーランスになる2年前から、住んでいる地域(京都府福知山市)のグルメやお出かけ情報を発信するブログ「福知Navi」を運営していました。
詳しくは下記参照。
このブログ運営はフリーランスの準備のためにしていたことではないんですが、結果的に私がフリーランスとして順調に活動できている大きな要因になっています。
福知Naviは個人の方はもちろん、ホームページやチラシを必要とするお店の方も多く見てくれていて、その方たちより仕事依頼をいただくようになりました。
フリーランスになる前からちょくちょくと依頼があったので、フリーランスになっても仕事に困ることはありませんでした。
今私の仕事の3割はブログ経由です!
▼ 詳しくは下記の記事参照。他の集客方法についても紹介しています。
▼ 仕事獲得について不安がある方は下記の記事の②をご覧ください。
12. 会社の人に「仕事があればお願いします」と伝えておく
会社を辞める際、社長や仲の良かったディレクター・営業さんに「フリーランスになるので何か仕事があればお願いします」と伝えていたところ、実際に外注で仕事依頼をいただいてきました。
フリーランスになった直後から継続でお仕事をいただけたので、最初から安定した収入を確保できて本当にありがたかったです♩
別の会社に転職したディレクターさんからその会社を通して外注で仕事依頼をいただいたり、私が退職するもっと前に辞めていた営業さんが私がフリーランスになったことを聞いて連絡をいただいたり…、意外なところから仕事につながることも多かったです。
▼ 他にも仕事の取り方は色々あります!
13. 開業届・青色申告承認申請書を提出
会社の最終出勤が2020年3月末。
有給消化期間が1ヶ月半程あったのでその間にも準備を進めて、有給が終わった次の日に開業届を提出しました!
開業届は会計ソフトのfreeeで作成したんですが、簡単すぎてビックリ!
項目を埋めていって、○✕アンケートを答えていくだけであっという間に書類が完成して、これが会計ソフトをfreeeに決めた大きな理由です。
こんな簡単に書類が作れるなら、難しそうな確定申告もできそうな気がする…!と思った記憶があります。
実際にfreeeのおかげで確定申告ができています。
会計ソフトは有料ですが、開業届の作成だけなら無料で作成できますよ♩
フリーランスとして活動していくなら税制上の優遇措置のある「青色申告」を選んだ方がいいとのことで(これもこの本で勉強)、開業届と同時に青色申告承認申請書も作成し、2つの書類を税務署に提出しました。
提出もすぐできて、あっという間にフリーランスデビューしました!
まとめ
私がフリーランスになる前に行った準備や確認したこと、13項目をまとめてご紹介しました。
- 屋号を決める
- 税金について勉強
- 子供の保育園を継続できるか確認
- フリーランスは会社員の2倍稼がないといけない説が本当か調べる
- 夫の扶養に入れるか確認
- 社会保険料の確認と手続き
- 事業用の口座・カードを作成
- 必要な業務ツールを揃える
- ドメイン取得・メールアドレス設定
- 会計ソフト初期設定
- 独立前から発信をして、仕事ができる状態を作っておく
- 会社の人に「仕事があればお願いします」と伝えておく
- 開業届・青色申告承認申請書を提出
振り返って羅列してみるとけっこうありました!
これからフリーランスを目指す方の参考になれば嬉しいです。
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